人事の電話を着信拒否する最近の学生の就活市場
先日5月下旬某日、お気に入りのタリーズで作業をしていると、となりに座っていた大学4年生と思しき女子学生2人が就活について会話しているのが耳に入ってきました。
「◯◯社(もろ社名)からガンガン電話がかかってきてうざいから着拒(着信拒否)した〜w」
「ね〜、いつまで採用してんの?って感じだよね〜」
「◯◯社」とは、ここ数年で急成長してきた業界では有名な某社さんです。
(業界は伏せておきます)
たしかに、結構がっつりとクロージングしにいくタイプの攻めの採用をしている評判を聞いたことがあります。話を聞いていると、この学生はすでに他社内定が出ており、この会社にはあまり興味がなさそう。
しかし、がっつり攻めすぎると、まさか着拒までされてしまうのか…と、衝撃を受けました。
普段人事の方がどのような血のにじむ努力で採用をされているのかが分かる私としては、何だかいたたまれない気持ちになりました。
二極化する人気企業とそれ以外の新卒マーケット
大手企業とそれ以外で、有効求人倍率(求職者1名に何社求人があるか)が全く違ってくるそうです。
出典:第35回ワークス大卒求人倍率調査(2019年卒)/リクルートワークス研究所
リクルートワークス研究所の調査によると、
従業員数5000人以上の企業の求人倍率は0.37%と、圧倒的な買い手市場であるのに対し、
従業員数1000人以上5000人未満で1.04倍
従業員数300人以上1000人未満で1.43倍
従業員数300人未満の会社ではなんと9.91倍
となっており、企業規模により、新卒学生の採用市場が全く異なる状況が浮き彫りとなっています。
この数字を見ていると大きく下記の2点が影響していると思います。(いずれも私の感覚ですが)
・学生自身がエントリーが容易になり情報を取得できるようになった中、自分のWill(やりたいこと)Skill(能力)を正しく認識できておらず、とりあえず知名度の高い企業へエントリーする行動に拍車がかかっている
・近年の「オヤカク」(内定時に親に確認をとること)に代表される通り、一人っ子が多くなった状況の中親が就活に関与するようになり大手志向が助長されている
一度は選考を受けた会社の電話を「着拒」するような風潮がモラル的にどうなのか、
考えさせられます。
ただ一言、辞退の連絡もできない、そんなコミュニケーション能力の学生と働くことになるということを考えなくてはいけないですね。