新宿で働く人材業界ビジネスマンのブログ

人材業界ビジネスマンの視点から、業界のこと、仕事のこと、キャリアのこと、健康のこと、ランニングの事など、忖度せず思いのままに綴っていこうと思います。※本ブログに記載の内容は私個人の私見であり、所属団体や会社の見解ではありません。

Doing(スキル・行動)とBeing(あり方・価値観・感情)の違い:罪を憎んで人を憎まず

普段、人の行動やスキルを見て、ついついその人にラベルを貼ってしまうことってありませんか?

私は振り返ってみると、ついやってしまっているな、と気が付きました。

 

昨日今日と一日半を使い、部署で「セルフリーダーシップ」の研修を受ける機会がありました。コーチはいわゆるエグゼクティブコーチの方々で、私の部署の全員で研修を受ける機会となりました。

 

その研修のコンテンツの一つに、「Doing(スキル・行動)」「Being(あり方・価値観・感情)」の違いというものがあり、ハッとした気づきがあったので、シェアします。

  

■Doing(スキル・行動)とは?

 Doingは読んで字のごとく、その人がまさにとっている行動や、発露されているスキルのことを指します。スキルや行動なので、優劣や正誤、パターンやセオリーがあり、「改善」する必要があったりと、仕事や人生を送るうえで、大人として学んできた行動のことです。

 

 

■Being(あり方・価値観・感情)とは?

 対するBeingとは、その人自身の価値観や「あり方」、何かに対しての「感情」や「感性」、源泉的な欲求といった、正誤の無い、みんな一人一人違うのが当たり前のもののことを指します。

 

 

現代は答えのない時代です。

かつては何か一つの価値観に共通項を見出し、全員が同じ方向を向いて仕事をしていれば成果が出た右肩上がりの時代がありました。しかし現在では「VUCA」と言われるぐらい、複雑性や多様性・あいまいさの多い世の中になっており、これまで以上に多様なBeingで構成されたチームである重要性が増しているといわれています。

 

VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワードとして使われています。

VUCAの意味とは?VUCAな時代に求められるリーダーシップとは? | BizHint (ビズヒント) - 伸びる会社は知っている

 

 

 

DoingとBeingを分けて考える重要性

  

例えば、何度注意しても、いつも遅刻してくるメンバーがいたとします。自分は真剣に、そのメンバーの今後を考えて注意しているのに、一向に遅刻ぐせが治りません。そんなメンバーの姿に苛立ちすら覚えてしまいます。

 

そんな時、みなさんなら、どんな風に本人にフィードバックを実施しますか?

 

その時、そのメンバーのことを、どんな風にとらえていますか?

 

人は感情の生き物です。ついつい、反応的にとらえ、「人の時間を大事に思っていないから、平気でいつも遅刻して来るんだろう!」などと感情的に伝えてしまうかもしれません。

 

しかし、「遅刻してしまう」という「Doing」と、「人の時間を大事に思っていない」(ように見える)という「Being」の話は、本来別々の話で、本当の価値観や感情はわからないはずです。

 

ここがごっちゃになっていると、「Doing(していること)」と「Being(本人の価値観)」をごっちゃにしてとらえ、相手の価値観を否定するフィードバックになってしまっているかもしれません。

私も日ごろ周囲についそんな感情的なフィードバックをしてしまうことがあります…猛省。

 

また、反対に、本当の自分のBeing(あり方や価値観)は違うのに、大人になるにつれて、周囲の期待や社会的ルール、「こうあるべき」に洗脳され、いつしか本来Doing(スキル・行動)の話が、自分のBeing(あり方や価値観)にすり替わってしまい、日々ストレスを感じながら生きることで、心を痛めてしまうこともあるかもしれません。

 

 

罪を憎んで人を憎まず

  

前職の外食企業でのマネジメント研修では「フィードバックは行動に焦点を当てて行う」という教えがありました。

そういえば、これって、まさに「Being(価値観:答えのないもの)」ではなく「Doing(改善可能なもの)」にフォーカスをあてる、ということだったんだなー!と改めて再認識しました。

 

DoingとBeing、日本風に言えば「罪を憎んで人を憎まず」

 

厳密には「憎む」も感情なので、正しくないかもしれませんが、その人の価値観と行動をつい重ねて見てしまう人間の思考のクセを理解し、きちんと行動にフォーカスをして感情判断を交えずにフィードバックができると、きっと建設的なフィードバックができるんだろうな、と思います。

  

DoingとBeing、意識的に分けて観察していきたいと思います。